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第19回 検査 その2《血液検査I》
これからの数回は主な血液検査について、その目的及び透析患者さんが維持したい目標値について説明します。『目標値』には一般の検査基準値とは異なるものもあります。また、『目標値』は患者さんそれぞれによってかなり幅があるので“絶対この範囲にないといけない”というものではありません。自分の検査結果が目標値とかけ離れている場合の評価は、先生や看護スタッフに直接お尋ねください。
〔1〕透析が効果的に行われているかを確認する血液検査
1. BUN(血中尿素窒素)
- BUNは蛋白質をエネルギーに換えた後の老廃物です。主に透析効率と蛋白摂取量の指標となります。
- 【透析患者さんの目標値】60~90mg/dl
- 目標値より高くなると蛋白質の摂り過ぎなのか、透析が足りないのかを検討します。
しかし、消化管出血を起こした場合も高くなるので注意が必要です。食事量が減るとBUNも少なくなります。
2. Cr(クレアチニン)
- Crは透析が十分に行われているかの目安となるものです。透析が十分に行なわれている場合は、筋肉の量や栄養状態の目安となります。
- 【透析患者さんの目標値】
・女性や体格の小さな人、高齢者は8~13mg/dl
・男性や体格が大きい人、若年者は10~15 mg/dl
3. KT/V(標準化透析量 ケイティーオーヴァーヴイ)
- 透析による毒素除去の指標で、十分な透析が行なわれているかどうかの判定に用いられる一つの指標です。
透析前後のBUNを測定し計算で算出します。
- 【透析患者さんの目標値】1.2以上
次回は貧血に関連する血液検査についてお話します。 >>つづきを読む。