透析の話し

第22回 検査 その5《血液検査IV BNP》

今回は血液検査の BNP についてお話しましょう。

BNPは日ごろ聞きなれない検査項目なので、時々患者さんに「何の検査?」と聞かれることがあります。それで今回取り上げてみました。
BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)は、心臓から分泌されるホルモンです。おもに心室の筋肉が伸展した場合に、心室筋でのBNP産生が増加します。BNP値は透析に合併した心不全の重症度マーカーであり、心不全が重症化するにつれて値が高くなります。だからBNP濃度は心臓が大きくなっていないかや心不全が進んでいないかの評価に利用でき、予後を予測する因子の一つになります。
また、DW(ドライウエイト)の設定が適正かどうかの判断材料ともなります。BNPが高値の場合は左室の拡張を意味することが多いため、なるべく除水を多くしてDWを下げるようにします。
透析後の血漿BNPが透析患者さんの予後の評価、心不全の有無の判定に優れていると言われているので、当院では3ヶ月毎に透析後に採血して検査しています。

【透析患者さんの目標値】 

150~200 pg/ml以下 ←この位の数値であれば左心機能としてほぼ良好なコントロールと考えて良いようです。

〔目標値は、2009年透析ケア「透析患者の検査と検査値」を参照させていただきました〕

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