『ドライウエイト』とは身体に余分な水分の貯留がなく、心臓に負担がかからず、生活や仕事をする上で体調がよいと感じられる体重のことで、『目標体重』とか『適正体重』とも言われます。
腎臓の機能が低下すると、尿がだんだん少なくなり、最終的には出なくなります。機能しなくなった腎臓の代わりに、毎回の透析で身体に溜った水分をドライウエイトまで取り除いて行きます。しかし、ドライウエイトは最初から決まっているものではなく、血圧や心胸比、体調等を考慮して決めていかなくてはなりません。このファジーさが、色々な誤解やこだわりを患者さんに与えているという印象を受けます。たとえば「ドライウエイトを上げると太って服のサイズが合わなくなるから嫌だ」とか「ドライウエイトを下げると食べる量を減らさないといけないから困る」とか…。本当にそうなのでしょうか?
ドライウエイトはどのように決めていくのでしょうか。
≪ドライウエイトの設定基準≫
このような色々な指標を考え合わせて、適切なドライウエイトを設定して行きます。 だから、ドライウエイトを上げたから太るのではなく、太った身体に合わせる為にドライウエイトを上げるのだし、身体がやせて水分だけが溜った状態を改善するためにドライウエイトを下げるのです。でも、ドライウエイトを下げたからと言って体重の増えを気にするあまり、食事量を減らせば余計に身体がやせてしまい、悪循環となってしまいます。
しっかり食べて、しっかり身体を動かし、しっかり透析をすることが大事です。もちろん体重増加を抑えるためには塩分、水分の制限は必要です。毎回体重増加が多くて無理して除水を繰り返していると心臓に過度の負担がかかり、そのうち元気に透析が出来なくなってしまいます。太って服が合わなくなると心配であれば、適度な運動をして健康的にダイエットしましょう。
セルフケア(自己管理)をしっかり行ない、適切なドライウエイトを設定し、元気に透析生活を送りましょう。