透析の話し

第5回 腎代替療法 その3 《血液透析》

血液透析は、さまざまな原因で腎不全になり、腎臓がほとんど働かなくなった時に行なわれる腎代替療法の一つです。日本では慢性腎不全患者さんの約95%がこの血液透析療法を選択しています。
その方法は、バスキュラーアクセス ※注) 参照 から血液を体外へ導き出し、ダイアライザーと呼ばれる特殊フィルターの中で血液と透析液が半透膜を介して接することにより、血液中の毒素や余分な水分の除去や電解質の調整を行い、きれいになった血液を再び体内へ戻すというものです。1回3~5時間の治療を通常週に3回行ないます。

1945年、オランダのコルフがコイル型ダイアライザーを発明し、急性腎不全の治療がこの血液透析療法で初めて成功しました。この装置によって朝鮮戦争での兵士たちの急性腎不全の死亡率を低下させたと言われています。その後、装置の小型化が進み、現在の血液透析治療の基礎は1960年代に完成しました。以後も透析監視装置の進歩、ダイアライザーの高性能化、透析液の清浄化など血液透析療法はめざましく進歩して来ました。
これにより透析歴が20年30年を超える長期透析患者さんも増加しています。ただ透析歴が長いというだけでなく、全ての透析患者さんに“元気でイキイキとした透析生活”を送っていただきたいと願いながら、日々透析看護に取り組んでいます。

※注) バスキュラーアクセスとは、血液を体外に導き、透析して血管内に戻す経路のことを言います。
「自己血管内シャント」「人工血管内シャント」「動脈表在化」「留置カテーテル」などがあります。

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