透析の話し

第3回 腎代替療法 その1《腹膜透析》

腎臓が慢性的に働かなくなり生命の維持に支障をきたすようになると、腎代替療法の選択をしなければなりません。末期腎不全の腎代替療法としては、血液透析、腹膜透析、腎移植の3つがあります。日本では慢性腎不全患者の約95%が血液透析であり、約4%が腹膜透析、腎移植に至っては1%に満たないという現状があります。この現状を反映して腹膜透析や腎移植についてはあまり知らないという方も多いと思います。しかし、本来なら透析導入が決まった時点でこの3つの代替療法があることを説明して、十分納得した上で前向きに今後の人生を歩いて行ける方法を患者自らが選んでいくべきものだと思います。そこで、今回と次回は“腹膜透析”と“腎移植”にスポットを当ててみたいと思います。

腹膜透析は、自分の腹膜を利用して血液をきれいにし余分な水分も取り除く療法です。腹膜透析をする為には、まずお腹にカテーテルを入れる手術をします。このカテーテルから透析液を腹腔内へ注入し4~6時間貯留した後、透析液を抜き新しい透析液を注入します。この操作を一日に4~5回行ないます(CAPD)。現在では夜間だけ行なう方法(APD)もあります。通院は異常がなければ2週間に1回程度ですので、血液透析より通院回数や時間の拘束が少ない療法です。自宅や会社、学校などでも行えるので生活のリズムに合わせた透析が出来ます。食事制限も血液透析に比べると緩やかです。しかし、腹膜炎を起こす危険性があったり、徐々に腹膜機能が低下して来ると血液透析へ移行しなければなりません。また、被嚢性腹膜硬化症(EPS)という合併症を起こす場合もあります。腹膜透析を実施している施設が少ないことも難点です。

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