透析の話し

最終回 透析は人生の足かせじゃない

先日、本屋さんで『透析は人生の足かせじゃない!』という本を見つけました。私も常々、透析を受けている患者様に日々の透析を「足かせ」と感じないで前向きに生きていただきたいと思っていましたので、この本の題に惹かれて購入しました。今回のクリニック便りはこの本を取り上げてみたいと思います。

  
自分の人生を生きたいように生きる」。そのことを基準に考えたなら、透析医療は人生の足かせではなく、あなたの人生をサポートするものでなければなりません。…と、この本の文頭に書かれています。本文中には、<透析は食事や睡眠と同じように一生つづく生活の一部である><患者は自分の体のことはもちろん、受けるべき医療も自分でコントロールすべきである(自分の検査データや自分に行なわれている透析の内容はきちんと知っていなければならない)。医療の中心は患者であり、患者のコントロールは自己責任においてなされなければならない。その為にはまず患者自身が自立しなければ安定した透析はできない(患者は体重、塩分、食事管理などのセルフケア(自己管理)をきちんと行ない、自分をコントロールしなければならない)。><医師やスタッフは自立のサポートをするのが役目であり、患者の声をしっかり聞き、患者が理解するまで何度でも辛抱づよく話をしなければならない。医術は話術である。透析患者の管理意識が低いのは、自己管理の大切さを伝えきれていない医療側の責任も大きい><なんでもやってくれるのが優れた医療サービスではなく、患者と真剣勝負でかかわる信頼できる医師と向上心あふれるスタッフたちが命のパートナーとして存在することが重要なことである。>…等等と続きます。


予期せず透析患者となった‘夏八木周二’と謎の人物‘ドクさん’という二人の登場人物を中心とした話の中で、患者本人にも医療スタッフにも厳しい注文が次々と出され、その度に身を引き締めながらもハラハラドキドキで物語は進んで行きます。でも、透析を人生の足かせとせずに人生のサポートとする為には、これ位の覚悟がなければならないのだろうとも思いました。  そして、<これからは医療の中心にいる患者が透析施設を選ぶ時代>であり、そうなると透析施設も患者に選んでもらえるような質の高い透析医療を提供する努力を惜しまなくなり、それによって全体的な透析医療の質が向上していく…と作者は訴えます。

この本の最後に作者は患者に問いかけます…
《あなたのクリニックは、あなたにとって人生のパートナーですか?》…と。

勝木台クリニックは患者様の人生のパートナーとなれるよう、日々努力してまいります。どうぞ、何かありましたらいつでもスタッフにお話し下さい。この本は透析患者様にも透析スタッフにも是非読んでいただきたい一冊です。


『透析は人生の足かせじゃない! 
     ・透析患者の課外授業』 

著者 : 櫻堂 渉


 


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