今回と次回はカリウム(以後Kと略します)についてお話しましょう。皆さんは“Kが上がり過ぎるといけない”ということはご存知だと思います。でも、なぜいけないのか、上がり過ぎたらどうなるのかを考えたことはありますか?なんとなく『Kが6を超えたら注意される』『5.5以下だったらセーフ』…なんていう位の認識かもしれません。でも、高K血症を甘く考えてはいけません。それは命に直結するものだということを是非解っていただきたいと思います。
食べ物から身体に入ったKの85~90%は腎臓から排泄されます。透析患者さんは腎臓からのKの排泄が低下しているため容易に高K血症になります。また、便からもKは5~10%排泄されますので、毎日の排便習慣も大事です。血液中のK濃度は正常範囲が狭く、その範囲内を逸脱すると不整脈や心停止など重大な結果を招くことがあります。だから、Kはもっとも注意を払わなければならない電解質の一つなのです。高K血症を予防するには十分な透析と食事管理が重要です。
★高K血症の主な症状…
1. 口の周りや舌がしびれる
2. 手足がしびれる
3. 吐き気がする
4. 手足に力が入らなくなり、力が抜けるような感じがする
5. 不整脈が起きる
6. 心臓が止まる
等々、重篤な症状を起こす危険があります。★Kを多く含む食品…芋類、豆類、種実類、魚・肉類、乳製品、果物、野菜類、海藻類、乾物類等々があります。
高K血症の責任を果物や野菜類にばかり負わせてはいませんか?◎【一日のK摂取量の目安…2,000mg以下】
◎【血清K値が6を超えたらイエローカード、7や8はレッドカードです!】
次回はK制限のポイントについてお話しましょう。 >>カリウム その2を読む。