透析の話し

第7回 バスキュラーアクセス その2-1《シャント狭窄・閉塞》

今回はシャント(血流豊富な動脈と静脈をつなぎ合わせて作ったバスキュラーアクセス)の狭窄・閉塞についてお話しましょう。

シャントは透析をするためになくてはならない大切なもので、これが狭くなったり詰ってしまうと透析が出来なくなってしまいます。

1. シャントの狭窄・閉塞を予防する為に…
  (1) 毎朝夕、シャントのスリル(シャントのザーザーと響くような拍動)を確認する習慣をつけましょう。聴診器でシャント音を聞いてみましょう。ザーザー、ゴーゴーの音は良い音、ヒューヒュー、シャッシャッの音は狭窄がある音です。
(2) シャントを圧迫しないようにしましょう。
  1. シャント側の腕に重い荷物をぶらさげたり、腕枕や腕時計をしない。
  2. 血圧測定はシャントと反対側の腕で行いましょう。
  3. 透析後、穿刺部の圧迫は血が止まったら早めに緩めましょう。

(3)

シャント肢の手のグーパー運動を行い、血管を発達させましょう。
(4) 穿刺部位はできるだけ毎回変えましょう。
(5) 急激な血圧低下はシャント閉塞の原因の一つです。体重管理や降圧剤の服薬管理など
 
  自己管理に心がけましょう。
 
2. 狭窄・閉塞の兆候は…
  (1) シャント音やスリルが弱くなる、又は聞こえない触れない。
  (2) 軽い痛みや血管が固く触れるなど、いつもと違った感じがする。
  (3) シャント肢が冷たく感じられる。
  (4) 透析中に血流不良や静脈圧の上昇がおこる。
 
3. 狭窄・閉塞の対処・処置は…
  (1) 狭窄・閉塞の徴候がみられたら、すぐにクリニックに連絡して下さい。
(2) シャント狭窄が疑われたら早めにシャント造影、シャント血管内治療(俗にPTAとかインターベンションとか言われています)を行います。
(3) 閉塞を起こしている場合は出来るだけ早く血栓除去術を行い、再開通しない場合はシャント再建術を行います。

シャントは『命綱』です。きちんとしたシャント管理を行ない、トラブルがおきる前に異変を早期に発見し、早く対処しましょう。気になることがあれば早めにクリニックに連絡し、相談しましょう。

次回はシャントの感染・出血についてお話しましょう。 >>つづきを読む。

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